『マイ・フィクション』でジャンボたかおさんが演じるのは、主人公・伊川正樹の同僚でありながら、彼の人生に深く入り込んでいく介護士・多田義孝です。
ジャンボたかおさんといえば、お笑いコンビ「レインボー」で見せる親しみやすいキャラクターの印象が強いですよね。ところが本作では、その笑顔が安心感ではなく「何を考えているのか分からない怖さ」へと変わり、物語の不気味さを支える重要人物になっています。
『マイ・フィクション』ジャンボたかおは何役?多田義孝を演じる
ジャンボたかおさんが『マイ・フィクション』で演じているのは、老人ホーム「はるなぎ園」で働く介護士・多田義孝(ただ・よしたか)です。
主人公の伊川正樹は玉森裕太さんが演じており、多田はもともと正樹と同じ職場で働いていた同僚という立場でした。
ABCテレビの公式キャスト紹介でも、ジャンボたかおさんは「伊川の同僚・多田義孝役」として紹介されています。
ただし、この「同僚」という説明だけで多田を理解しようとすると、本作での存在感をかなり小さく見積もってしまいます。
多田は第1話から、正樹の身に起きた異常事態を象徴する人物として登場するからです。
正樹は平和な町「森沼ネクスタウン」で、妻・真弓と穏やかに暮らしていました。
ところが謎の男・津村大輔と遭遇した後、川へ転落。1週間にわたって意識を失います。
そして目を覚ました正樹が自宅へ帰ると、そこにいたのが多田でした。
しかも多田は、ただ遊びに来ている同僚ではありません。
まるで自分こそが真弓の夫であるかのように、その家で暮らしているのです。
さらに正樹が職場の「はるなぎ園」へ向かっても、警備員や同僚たちは正樹を覚えていません。
そこへ現れた多田は、「伊川正樹」の名前が記された身分証を持ち、周囲からも正樹本人として認識されていました。
つまり本作における多田義孝は、単なる主人公の同僚ではなく、主人公から「名前」「居場所」「仕事」「夫という立場」まで奪っているように見える人物なのです。
第1話の段階で「どうしてジャンボたかおが玉森裕太になっているの?」と混乱した方も多かったのではないでしょうか。
でも、その混乱こそが『マイ・フィクション』の入り口になっています。
私は、多田という人物がこの物語で果たしている役割は、正樹の恐怖を視聴者自身にも体験させることだと感じました。
知らない誰かが突然自分になるより、昨日まで普通に話していた同僚が自分として暮らしているほうが、むしろ怖いんですよね。
「知っている人なのに、知らない人のように見える」。
その微妙な気味悪さを成立させる人物が、多田義孝なのだと思います。
多田義孝はなぜ怖い?主人公・伊川正樹になりすます不気味な存在
多田義孝が特に注目された理由は、ジャンボたかおさんが見せる穏やかな笑顔と、多田の不可解な行動との落差にあります。
多田は、見るからに凶悪そうな人物として登場するわけではありません。
怒鳴り散らしたり、最初から露骨な敵意を見せたりする人物でもないんですよね。
むしろ柔らかく笑っている。
だからこそ怖いのです。
2026年8月17日に日刊ゲンダイDIGITALが掲載した記事では、『マイ・フィクション』で多田を演じるジャンボたかおさんの演技が注目されていることを紹介。
視聴者からは、多田の不気味さやキャスティングを評価する声が寄せられていると報じられています。
多田の怖さを考えるとき、ポイントになるのは「堂々としていること」だと私は感じます。
正樹の家にいることにも、正樹の名前で職場に現れることにも、多田にはどこか迷いがありません。
普通なら、人の人生を奪っている人物には「正体がばれるのではないか」という焦りを想像しますよね。
ところが多田の態度からは、正樹のほうこそがおかしい人物であるかのような空気さえ漂います。
主人公の正樹から見れば、これは相当恐ろしい状況です。
自分は確かに伊川正樹として生きてきた。
妻との思い出もある。
職場で働いてきた記憶もある。
それなのに、周囲の人間は多田を「伊川正樹」と認識し、本物の正樹を知らない人物として扱う。
こうなると、「多田が嘘をついている」のか、「世界そのものが書き換わった」のか、それとも「正樹自身の記憶がおかしい」のかさえ分からなくなります。
『マイ・フィクション』は、記憶がどこまで自分を自分たらしめているのかを問いかける作品です。
多田はそのテーマを、もっとも分かりやすい形で視聴者へ突きつける存在ではないでしょうか。
『マイ・フィクション』ジャンボたかおの演技が高評価なのはなぜ?
ジャンボたかおさんの多田義孝役が話題になっている背景には、レインボーとして積み重ねてきたコントでの演技経験があります。
日刊ゲンダイDIGITALの記事では、お笑い業界関係者の分析として、レインボーのコントには明確な台本を細かく固めず、設定をもとに役へ入り込みながら展開していくタイプの作品が多いことが紹介されています。
ジャンボたかおさんと池田直人さんは、日常にいそうで少し変わった人物をリアルに表現するコントを数多く演じてきました。
レインボーのYouTubeチャンネルには1000本を超えるネタが公開されてきたとされ、ジャンボたかおさんも実にさまざまな人物を演じています。
ここは、多田義孝役を見るうえでかなり重要なポイントだと思います。
多田は「分かりやすい悪人」を演じれば成立する役ではありません。
普通の介護士に見えること。
普通の同僚に見えること。
でも、正樹の視点から見ると何かが決定的におかしいこと。
この3つが同時に存在していないと、多田の不気味さは薄れてしまいます。
レインボーのコントには、日常的な会話の中に少しずつ違和感が混ざっていくタイプの作品があります。
『多分人殺してる神崎』シリーズや『意味がわかると怖いコント』シリーズなど、ホラーやサスペンスの空気を取り込んだネタもありました。
特に『ねえ、何で知ってるの?』では、ジャンボたかおさんが不穏な人物を演じ、その自然な表情や話し方が注目されています。
多田義孝にも、この「普通に見えるのに怖い」という感覚がそのまま生きています。
俳優として大きく表情を変えなくても、ちょっとした目線や間、笑顔の残り方によって「この人、何かがおかしい」と思わせる。
私はそこに、コントを長く続けてきた芸人ならではの強みを感じました。
お笑いのコントでは、数分のうちに人物像を理解してもらう必要があります。
そのためには、言葉だけではなく姿勢、声、目線、間の取り方で「こういう人なんだ」と伝えなければいけません。
ジャンボたかおさんが多田を印象的に見せられている背景には、そうした積み重ねもあるのではないでしょうか。
ジャンボたかお本人は多田役をどう語っている?
ABCテレビの公式キャストコメントでは、ジャンボたかおさん自身も『マイ・フィクション』のストーリーについて触れています。
最初に物語を聞いた際には、予想外の展開に驚きながらも、強くワクワクしたそうです。
そして、視聴者の予想を超えていくような非常に激しいストーリーだと作品の魅力を表現しています。
いかにもジャンボたかおさんらしいユーモアも忘れていません。
自身の体格を生かし、「ジャンボがいることでほかのキャストがより細く見える」といった趣旨のコメントも残しており、さらに撮影スタッフにも自分と同じくらい大柄な人が2人いるというエピソードまで披露しています。
ドラマ本編での多田があまりにも不気味なだけに、この明るいコメントを読むと少し安心してしまいますね。
私は、この本人の明るさと多田の不穏さの差も、今回のキャスティングを面白くしていると思います。
バラエティーなどでジャンボたかおさんを知っている視聴者ほど、「いつものジャンボたかおさん」という先入観があります。
そこへ、多田の静かな怖さが入ってくる。
つまり視聴者は、作品を見る前から持っている安心感を利用して裏切られているとも言えるんです。
日刊ゲンダイDIGITALの記事でも、普段の親しみやすい芸人としてのイメージと、ホラー感のある演技とのギャップが魅力につながっていると分析されています。
これは、ただ俳優として上手に演じるだけでは生まれにくい効果です。
キャスティングそのものが、一つの演出になっているように感じます。
多田義孝と向井理恵の関係にも注目
多田義孝を見るうえで忘れてはいけない人物が、結城萌さん演じる向井理恵です。
向井も「はるなぎ園」で働く介護士で、多田と同じく伊川正樹の職場にいる人物です。
公式キャスト紹介では、結城萌さんが「ジャンボたかおさん演じる多田と、私演じる理恵のコンビにも注目してください」とコメントしています。
さらに物語が進むと、多田と向井には単なる職場仲間だけでは説明できない関係があることも見えてきます。
公開されている人物情報では、向井は多田と「同志」として裏でつながっている人物として扱われています。
これによって、多田の不可解な行動が「多田一人だけの思いつきではない」可能性が強まっていきます。
ここが本作のサスペンスとして面白いところですね。
第1話だけを見ると、多田という一人の怪しい人物が正樹の人生を奪っているように感じます。
ところが話が進むにつれて、問題はもっと大きな仕組みへと広がっていきます。
正樹の同僚が正樹になっている。
正樹の妻が正樹を覚えていない。
職場の人間も覚えていない。
過去の記録まで食い違っている。
こうした異常が積み重なると、多田個人を問い詰めればすべて解決する話ではないことが分かってくるんです。
そのため多田は「最終的な謎そのもの」というより、巨大な謎への入口として配置された人物と見ると理解しやすいでしょう。
多田の笑顔だけを追っていると怖いのですが、向井との関係や周囲の人物まで視野を広げることで、『マイ・フィクション』全体の仕掛けが少しずつ見えてきます。
『マイ・フィクション』の物語で多田が担う重要な意味
『マイ・フィクション』は2026年7月5日に放送が始まった、玉森裕太さん主演のサスペンスラブストーリーです。
主人公・伊川正樹が事故から目覚めると、自分だけが周囲から忘れ去られ、別の人物が「伊川正樹」として生きているというところから物語が動き出します。
その「別の人物」こそが、ジャンボたかおさん演じる多田義孝でした。
第1話のサブタイトルも「僕を忘れた妻、僕になりすます男」。
まさに多田の存在が、第1話最大の衝撃として置かれています。
その後、物語は正樹の正体、森川葵さん演じる二宮由梨との関係、宮澤エマさん演じる真弓の過去、野村周平さん演じる津村大輔の目的へと広がっていきます。
さらに物語後半では、「Persona Shiftプログラム」と呼ばれる記憶を書き換える技術が登場。
単純ななりすまし事件では説明できなかった出来事が、記憶そのものをめぐる大きな計画へ結びついていきます。
こうして振り返ると、多田の登場には非常に重要な意味があったことが分かります。
最初から「記憶を書き換える技術があります」と説明されても、視聴者は物語へ感情移入しにくいですよね。
しかし、
「家に帰ったら同僚が自分の夫として暮らしている」
という出来事なら、一瞬で異常さが伝わります。
難しい設定を理屈から説明するのではなく、多田という人物を通じて感情で理解させている。
私はここが、このドラマの巧みなところだと思います。
多田の存在は、設定説明のためのキャラクターではありません。
正樹が味わう「自分が自分でなくなってしまう恐怖」を、視聴者にも体験させるための人物なのです。
ジャンボたかおの怪演は「笑顔の意味」を変えた
ここからは私自身の考察になりますが、多田義孝という役で最も印象的なのは、ジャンボたかおさんの笑顔の意味が作品の中で完全に変わっていることだと感じています。
バラエティーで見るジャンボたかおさんの笑顔には、親しみやすさがあります。
大きな体で豪快に笑う姿に、安心感を覚えている方も多いのではないでしょうか。
ところが『マイ・フィクション』では、同じように口元が笑っていても「何を知っているの?」と疑いたくなる。
人の表情は、物語の文脈だけでこれほど意味が変わるのだと改めて感じました。
そして多田を「いかにも悪そうな人物」にしなかったことも大切だと思います。
サスペンスでは、怪しい人物に分かりやすい演出をつける方法もあります。
けれど『マイ・フィクション』の怖さは、日常そのものが少しだけずれているところにあります。
いつもの家。
いつもの職場。
いつもの同僚。
ただし、「自分だけがそこに存在していない」。
だから多田にも、普通の人らしさが必要だったのでしょう。
ジャンボたかおさんは、レインボーのコントで「身近にいそうな人物」を何度も演じてきました。
その日常感があるからこそ、多田の異常さが際立ちます。
これは俳優経験の多さだけでは測れない部分です。
1000本を超えるネタの中でさまざまな人物を演じてきた経験が、本人も意識しないところで多田の細かな動きや空気感につながっている可能性は十分あると私は考えています。
もう一つ注目したいのは、「芸人だから意外」という段階を越え始めていることです。
ドラマに芸人が出演すると、どうしても最初は「演技できるのかな?」という見方をされがちです。
しかし多田の場合、物語へ入り込んでしまうと、ジャンボたかおさん本人のイメージより「多田が怖い」という感覚のほうが前に出てきます。
役者として一つのキャラクターを成立させている証拠ではないでしょうか。
今回の評価が今後のドラマ出演につながるのかも気になるところですね。
特に、日常の中に違和感を混ぜるサスペンスや、表面上は穏やかだけれど内側に何かを抱えた人物とは、かなり相性が良さそうです。
個人的には、今回の多田義孝役は「芸人がドラマに出た」という話だけで終わらず、ジャンボたかおさんの新しい一面を広く知られるきっかけになった役だと感じています。
まとめ|『マイ・フィクション』ジャンボたかおは伊川の同僚・多田義孝役
『マイ・フィクション』でジャンボたかおさんが演じているのは、主人公・伊川正樹と同じ老人ホーム「はるなぎ園」で働く介護士・多田義孝です。
しかし物語が始まると、多田は単なる同僚ではありません。
事故から目覚めた正樹の家で妻・真弓と暮らし、職場でも「伊川正樹」として周囲から認識されるという、強烈に不可解な存在として登場します。
その穏やかな笑顔と行動の不気味さが重なり、ジャンボたかおさんの演技は大きな注目を集めました。
レインボーとして数多くのコントに出演し、日常にいそうな人物からホラー色のあるキャラクターまで演じてきた経験も、多田のリアルな怖さにつながっていると考えられます。
さらに向井理恵との関係や、物語後半で明らかになる記憶をめぐる仕組みまで追っていくと、多田が単なる「主人公になりすます男」ではなく、『マイ・フィクション』の核心へ視聴者を連れていく重要人物だったことも見えてきます。
普段のジャンボたかおさんを知っている方ほど、そのギャップには驚かされるはずです。
「ジャンボたかおは何役?」というところから気になった方も、ぜひ多田の表情や視線、何気ない笑い方までじっくり見てみてください。
一度怪しく見え始めると、ごく普通の笑顔まで意味ありげに感じてしまう――。そんな感覚こそ、この作品ならではの面白さではないでしょうか。
よくある質問
『マイ・フィクション』でジャンボたかおは何役ですか?
ジャンボたかおさんは、老人ホーム「はるなぎ園」で働く介護士・多田義孝役です。主人公・伊川正樹の同僚ですが、正樹が事故から目覚めた後には「伊川正樹」として周囲から認識される不可解な人物として登場します。
多田義孝は主人公になりすましているのですか?
物語序盤では、多田が伊川正樹の家で妻・真弓と暮らし、職場でも「伊川正樹」として認識されています。そのため正樹からは、自分の人生を奪ってなりすましているように見えます。ただし物語は記憶そのものに関わる大きな謎へ発展するため、単純ななりすましだけでは説明できない構造になっています。
ジャンボたかおの演技が話題になった理由は?
普段の明るく親しみやすいイメージとは異なり、多田役では穏やかな笑顔のまま不気味さを漂わせていることが大きな理由です。レインボーとして多数のコントで幅広い人物を演じてきた経験も、自然なのに怖い多田のキャラクターづくりに生かされていると考えられます。


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