『夫を殺したはずなのに』の“犯人”を考える鍵は、樹・苑子・慶太、そして莉乃自身が抱える秘密を別々に整理することです。
第7話までに、莉乃を追い詰めるDMには波多野樹が関わり、その背後には獄中の苑子の「ある命令」があることが判明。一方、タイムリープそのものを仕組んだ黒幕や、慶太が何を知っているのかについては、まだ決定的な答えが示されていません。
『夫を殺したはずなのに』犯人は誰?第7話までの真相を整理
『夫を殺したはずなのに』は、単純に「夫を殺した妻がタイムリープする」というだけの物語ではありません。
主人公・本庄莉乃(内田理央)は、夫・本庄慶太(渡邊圭祐)の裏切りを知り、慶太を殺害します。しかし、それで物語が終わるどころか、時間が巻き戻され、再び同じ期間を生きることになります。
第1話「最初の殺人」で描かれた最初の大きな衝撃は、莉乃が慶太を殺したあと、慶太の相手である菊池エレナ(箭内夢菜)から反撃を受ける展開でした。
ここで重要なのが、エレナの行動です。
エレナは単純に自分の身を守って逃げるのではなく、莉乃に対して強い怒りを向けています。その背景を示す言葉として登場したのが、「ちゃんと愛してない奴に愛される資格はない」という趣旨の考え方でした。
つまり、エレナから見た莉乃は「夫に裏切られたかわいそうな妻」だけではなかった可能性があります。
慶太から莉乃との夫婦生活について、何らかの事情を聞いていたのではないか。
そう考えると、エレナの行動は単純な愛人による攻撃とは違って見えてきます。
そして物語が第7話まで進むと、莉乃自身の出生にも大きな秘密があることが分かります。
莉乃は、30年前に起きた猟奇的な不倫殺人事件の犯人が、自分を産んだ母親だったという事実を知ることになります。
その母親が苑子です。
さらに第8話予告では、これまで莉乃へDMを送り続けていた人物として、児童養護施設の職員である波多野樹(曽田陵介)が大きく浮上します。
しかも樹の行動の背景には、獄中にいる苑子から下された「ある命令」があるとされています。
ここまで整理すると、「犯人は誰?」という疑問には、一人の名前だけでは答えられません。
現時点では少なくとも、
- 30年前の不倫殺人事件に関わる人物=苑子
- 莉乃をDMで追い詰めてきた人物=樹
- 樹を動かしている人物=苑子である可能性が濃厚
- 莉乃が最初に殺害した人物=慶太
- 莉乃へ反撃した人物=エレナ
- タイムリープを発生させている“黒幕”=まだ確定していない
という複数の「犯人」が重なっているのです。
私はここが、このドラマのかなり面白いところだと感じています。
視聴者が「犯人」という一つの答えを探そうとすると、別の事件の犯人が次々と浮かび上がる。まるで箱を一つ開けるたび、その中からさらに小さな箱が出てくるような構造なんですよね。
だからこそ、最終的に問われるのは「誰が悪いのか」だけではないのかもしれません。
莉乃の人生をここまで追い詰めた“最初の原因”は何だったのか。
そこまでたどり着いて初めて、この物語の本当の真相が見えてくるのではないでしょうか。
莉乃と慶太はなぜ壊れた?犯人考察の出発点は夫婦のすれ違い
犯人を考察するうえで見逃せないのが、莉乃と慶太の結婚生活です。
表面だけを見れば、慶太が浮気をし、その様子が生配信され、莉乃が深く傷ついたという構図です。
ところが第1話では、その前から二人の間に大きな溝が生まれていたことが示されています。
莉乃は児童養護施設で育ちました。
親から十分な愛情を受けた経験がないため、「自分に子供ができても愛せる自信がない」という恐れを抱えています。
そのため莉乃は、妊娠を避けるためにピルを服用していました。
問題なのは、子供を望んでいた慶太に、その本当の理由を伝えていなかったことです。
莉乃からすれば、これは慶太を愛していないからではありません。
むしろ、自分自身の過去による恐怖だったのでしょう。
ところが慶太の側から見れば、「子供が欲しい」と伝えているのに、妻が自分に黙って妊娠を避けていたという事実になります。
ここに二人の悲しいすれ違いがあります。
莉乃は「慶太に裏切られた」と思い、慶太もまた「莉乃に愛されていない」と感じていた可能性がある。
もちろん、それによって慶太の浮気が正当化されるわけではありません。
ただ、このドラマが描いているのは、どちらか一人を単純な悪役にして終わらせられる夫婦関係ではないように思えます。
「なぜ本当のことを話さなかったのか」という疑問が、二人の関係にはずっと残っています。
莉乃はなぜ、「親に愛された経験がないから、母親になることが怖い」と慶太に話せなかったのでしょうか。
そして慶太も、莉乃が避妊していると気づいたのなら、なぜ直接その理由を聞かなかったのでしょうか。
嫌われることが怖かったのか。
相手を傷つけるのが怖かったのか。
それとも、すでに夫婦の間に本音を言えない何かがあったのか。
私は、「話さなかったこと」そのものが本作最大級の伏線ではないかと感じています。
莉乃のタイムリープが「間違いをやり直す物語」なのだとすれば、慶太を殺さないことだけが正解ではありません。
殺人へ至るもっと前、二人がお互いに本音を隠した瞬間まで戻らなければ、本当の意味では未来を変えられないのかもしれませんね。
『夫を殺したはずなのに』考察|7月24日から8月7日の2週間が重要?
タイムリープの仕組みを考えると、特に重要なのが日付です。
莉乃が戻されるのは、7月24日(金)の朝。
そこから、最初に慶太を殺害した8月7日(金)までは2週間あります。
7月24日は結婚記念日でもあり、莉乃はそら豆のガレットを作っています。
ここで考えたいのが、莉乃自身の「どこから間違ったのか」という問いです。
もしタイムリープが単なる罰ではなく、何らかの「やり直し」を求める現象なのだとしたら、7月24日から8月7日までの2週間に、未来を決定づける分岐点が存在する可能性があります。
最も分かりやすい間違いは、慶太を殺すことです。
しかし、それだけなら「慶太を殺さなければループ終了」という比較的シンプルな物語になります。
本作は、どうもそれだけでは終わらなさそうなんですよね。
私が気になっているのは、誰も死なない未来を作ることが本当のクリア条件なのではないかという点です。
慶太を助けても別の人物が犠牲になれば、再び時間が戻る。
エレナを排除しても夫婦の問題そのものが残っていれば、違う形で悲劇が起きる。
樹を止めても、その背後に苑子がいるなら根本的な解決にはならない。
このように考えると、莉乃が解かなければならないのは「殺人を回避する方法」ではなく、複数の人物を悲劇へ向かわせている因果関係そのものなのかもしれません。
そのヒントに見えるのが、本庄家の日めくりカレンダーです。
7月24日には「Go ahead, make my day.」、8月7日には「You can’t handle the truth.」という英語が書かれていました。
これらが直接タイムリープを引き起こしている証拠はありません。
ただ、物語の始点と大きな事件の日に「挑発」と「真実」を連想させる言葉が置かれているのは印象的です。
特に8月7日の「truth=真実」は気になります。
莉乃が耐えられない真実とは、慶太の浮気だけだったのでしょうか。
第7話まで物語を見れば、莉乃には実母・苑子をめぐるさらに重い事実が待っていました。
だとすると、カレンダーは単なる遊びではなく、その日に莉乃が向き合うテーマを先回りして示す小さな伏線として見ることもできます。
断定はできませんが、こういう何気ない小道具が後から違った意味を持ち始めるのが、ループものの楽しいところですね。
慶太もタイムリープしている?第1話の「異変」を考察
そして、犯人考察と同じくらい気になる人物が慶太です。
第1話の7月24日、朝起きてテレビをつける慶太には、どこか違和感のある様子が見られました。
この場面が意味深なのは、タイムリープして7月24日に戻された莉乃の反応と重なって見えるからです。
もしこれが意図的な伏線なら、とても大きな意味を持ちます。
「莉乃より先に慶太がループしているのではないか?」
そんな仮説が成立するからです。
もちろん、第7話までの情報だけで「慶太もタイムリーパーだ」と断定することはできません。
しかし、仮に慶太にも記憶があるとすると、これまで不可解だった行動の見え方が大きく変わります。
なぜ慶太は莉乃との関係を修復しようとしないのか。
なぜ同じような運命へ向かってしまうのか。
そもそも慶太は、どこまで未来を知っているのか。
さらに一歩踏み込めば、慶太が莉乃とは異なる「やり直したい出来事」を抱えている可能性も考えられます。
そうなると、『夫を殺したはずなのに』というタイトル自体も面白くなってきます。
莉乃から見れば「殺したはずなのに、生きている夫」。
しかし慶太から見れば、「殺されたはずなのに、また妻の隣で朝を迎えている」という世界なのかもしれません。
もし夫婦双方がループしているなら、これは妻だけの復讐劇ではありません。
お互いが違う秘密を抱えたまま、同じ結婚生活を何度も繰り返している物語になります。
個人的には、この可能性は最後まで捨てたくありません。
莉乃が何度慶太を殺しても物語が終わらないのは、「慶太を殺すことが間違いだから」という理由だけではなく、慶太側にも解決しなければならない何かが残っているから、と考えると物語全体がきれいにつながるからです。
樹がDMの犯人?苑子からの「ある命令」が第8話最大の鍵
第8話を前に、犯人候補として一気に存在感を増したのが波多野樹です。
樹は莉乃の同僚であり、児童養護施設の職員。
第1話の時点から、慶太とエレナの生配信を見ているように見えることが気になる人物でした。
ここには最初から疑問がありました。
なぜ樹が慶太の事情を知っているのか。
莉乃の身辺だけではなく、慶太についても調べていたのか。
あるいはエレナや配信そのものと何らかの接点があったのか。
第1話だけでは想像の域を出ませんでしたが、第8話予告によって樹の重要性はさらに高まりました。
30年前の事件の犯人が自分を産んだ母親だと知った莉乃は、「自分は幸せになってはいけない」という負い目を抱えます。
そんな莉乃のもとへ、再び慶太の浮気生配信動画が届きます。
変わらない運命に疲れ果てた莉乃は、指輪を置いて家を出ようとします。
そこへ突然現れるのが樹です。
そして公式の第8話予告では、これまでDMを送り続け、莉乃を追い詰めていた樹の真の目的が明らかになることが示されています。
さらに、その行動は獄中の苑子から下された「ある命令」と関係しているとされています。
これはかなり重要な情報です。
少なくとも、「謎のDMを送っているのは誰なのか」という問いについては、樹が中心人物であるところまで絞り込まれました。
しかし、ここで樹を単純な黒幕と決めつけるのは早いでしょう。
むしろ重要なのは、「なぜ樹が苑子の命令に従うのか」です。
樹と苑子にはどのような関係があるのでしょうか。
苑子は獄中から、なぜ莉乃の人生に介入しようとしているのでしょうか。
そして、その命令は莉乃を傷つけるためなのか、それとも一見残酷に見えても別の目的があるのでしょうか。
「DMの実行役」と「すべてを仕組んだ黒幕」は、必ずしも同じ人物ではありません。
ここを分けて考える必要があります。
樹が苑子の指示を実行しているのなら、樹は犯人であると同時に、苑子に動かされている人物でもあります。
さらに苑子自身も、30年前の事件だけで説明できない事情を抱えている可能性があります。
樹→苑子→さらに過去の真相という形で、まだ奥に秘密が隠されているのではないでしょうか。
『夫を殺したはずなのに』真犯人と黒幕を考察|本当の敵は誰なのか
ここからは、第7話までの事実と第8話予告をもとにした私なりの考察です。
現時点で私が最も注目しているのは、「黒幕=一人」という前提そのものが間違っている可能性です。
本作では、莉乃が慶太を殺します。
エレナは莉乃へ強い敵意を向けます。
樹はDMで莉乃を追い詰めています。
苑子は獄中から樹へ「ある命令」を出しています。
慶太は莉乃に隠れて浮気し、その様子が生配信されています。
ところが、誰か一人だけを排除しても、莉乃の苦しみは終わりません。
ここがポイントです。
もしエレナだけが悪いのであれば、エレナと慶太を引き離せば解決するはずです。
慶太だけが原因なら、莉乃が慶太から離れればいい。
樹だけが黒幕なら、DMの正体を暴けば物語は終わるでしょう。
ところが第7話まで進んでも、問題はむしろ莉乃の過去へ過去へとさかのぼっています。
児童養護施設で育ったこと。
親から愛された記憶を持てなかったこと。
そのために母親になることを怖がったこと。
慶太へ本当の気持ちを言えなかったこと。
そして、実母・苑子と30年前の事件。
現在の夫婦関係に見えた問題が、莉乃の幼少期へ、さらに莉乃が生まれる以前の事件へとつながっていくのです。
この構造を見ると、莉乃がタイムリープで本当に向き合わなければならない相手は、単純な「犯人」ではないように思えます。
莉乃自身が「私は愛されない」「私は誰かを愛せない」「私は幸せになってはいけない」と思うようになった原因そのものではないでしょうか。
だからこそ、第8話予告で莉乃が「自分は幸せになってはいけない」と負い目を感じる展開は、とても重要に見えます。
これは単なる落ち込みではありません。
莉乃の人生を縛ってきた思い込みが、最も強い形で表面化した瞬間だからです。
30年前の事件を起こしたのが実母だから、自分も幸せになってはいけない。
親に愛されなかったから、自分も子供を愛せないかもしれない。
慶太に本心を話せない。
そして裏切られ、慶太を殺す。
こうして見ると、悲劇が一本の鎖のようにつながっています。
私は、この「母から娘へ受け継がれた悲劇の連鎖」こそ、本作が最後に断ち切ろうとしているものではないかと考えています。
そう考えれば、苑子が単純なラスボスで終わるとも限りません。
30年前の事件の真相と、苑子がなぜ樹を動かしているのか。
その理由を莉乃が知ることによって、「自分は母親と同じ人間になる」という恐怖から解放される展開も考えられます。
そしてもう一つ、大きな鍵になるのが慶太です。
慶太の第1話での違和感が本当にタイムリープの伏線なら、夫婦はお互いを「自分を傷つけた犯人」だと思いながら、実は二人とも同じループに閉じ込められているのかもしれません。
莉乃にとって慶太の浮気は裏切り。
慶太にとって莉乃の秘密の避妊も、愛されていないと感じる理由になった可能性があります。
もちろん両者の行動を同列に扱うことはできません。
ただ、二人とも「相手が本当は何を考えているのか」を聞かないまま、自分の中で答えを作ってしまった点は共通しています。
もし最終的にループを終わらせる条件があるなら、私は「慶太を殺さない」だけでは足りないと思います。
莉乃が苑子の真実を知る。
樹の目的を知る。
慶太と向き合う。
そして誰も殺さず、誰かを一方的な悪者にするのでもなく、7月24日から8月7日までの選択を変える。
そこまでできて初めて、時間が先へ進むのではないでしょうか。
タイトルの『夫を殺したはずなのに』も、最終的には「殺しても何も解決しなかった」という意味に変わってくるのかもしれませんね。
復讐することがゴールではなく、なぜ復讐したくなるところまで壊れてしまったのかを知る物語。
私はそんな着地になると、このドラマが描いてきた夫婦、親子、愛情への恐怖という要素が一つにつながるように感じます。
まとめ|『夫を殺したはずなのに』犯人考察は樹と苑子、その先の真相に注目
『夫を殺したはずなのに』の犯人を考察すると、第7話までと第8話予告の段階では、ひとまずDMで莉乃を追い詰めてきた樹と、その背後にいる苑子が大きな鍵を握っています。
一方で、これをそのまま「樹が真犯人」「苑子がすべての黒幕」と結論づけるには、まだ分からないことが残されています。
特に注目したいのは、第1話から描かれている慶太の異変です。
7月24日の慶太の様子がタイムリープを示す伏線だった場合、物語の前提そのものが変わります。
さらに、莉乃が戻される7月24日から慶太殺害日の8月7日までがちょうど2週間であること、日めくりカレンダーに意味深な言葉が置かれていることも気になります。
そして何より、第7話までに現在の夫婦問題と30年前の苑子の事件がつながりました。
最初は「浮気した夫への復讐」に見えていた物語が、いつの間にか母親から娘へ続く過去と、莉乃が抱える“愛することへの恐怖”へ広がっています。
個人的には、真犯人の名前を一人当てること以上に、「なぜ莉乃は7月24日に戻されるのか」を解くことが真相への最短ルートだと考えています。
慶太を殺さないだけでループは終わるのか。
樹のDMを止めれば未来は変わるのか。
苑子の「ある命令」の真意を知る必要があるのか。
それとも、莉乃と慶太の両方が本音を隠すのをやめなければ、何度でも同じ悲劇が形を変えて繰り返されるのでしょうか。
第8話で樹の目的と苑子の命令が明らかになれば、この疑問のかなり大きな部分がつながりそうです。
「犯人は誰?」と追いかけてきたはずなのに、最後には「そもそも最初の間違いは何だったの?」と問い返される。
そんなところに、『夫を殺したはずなのに』というタイムリープ復讐サスペンスの面白さがあるように感じています。
よくある質問
『夫を殺したはずなのに』でDMを送った犯人は誰?
第8話予告では、これまでDMを送り続け莉乃を追い詰めていた人物として波多野樹が大きく取り上げられています。ただし、樹には獄中の苑子から下された「ある命令」があるため、樹だけを物語全体の黒幕と断定するのはまだ早いでしょう。
莉乃の母親・苑子は何をした人物?
第7話までに莉乃は、30年前に起きた猟奇的な不倫殺人事件の犯人が、自分を産んだ母親だったと知ります。さらに苑子は獄中から樹に「ある命令」を出していることが第8話予告で示されており、現在の莉乃の運命にも関係する重要人物です。
慶太もタイムリープしている?
現段階では確定していません。ただ、第1話でループ開始地点となる7月24日の朝、慶太に莉乃が時間を戻された時と重なるような違和感のある様子が見られたため、慶太も以前からループしているのではないかという考察ができます。今後、この場面が伏線として回収されるか注目です。
ライオポン(らいおぽん)/ドラマ命の専業主婦ライター



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